穏やかな休日



久し振りの二人揃っての休日。
洗濯を終えて、静まりかえったリビングに入ると規則正しい寝息が聞こえてきた。
さっきまで台本を読んでいた蓮の目は閉じられている。

「あらら、こんな所で寝ちゃって・・・。」

キョーコは蓮の膝の上に広げられていた台本を机に置いて、その隣に腰掛けた。
時計を見るとまだ10時になったばかり。
外を眺めると秋特有の高い青空が広がっている。
キョーコは青い空を眺めながら、欠伸をかみ殺した。
昨夜は休日の前日という事もあり、なかなか寝かせてもらえなかったためだ。

「・・・あふ、ん〜〜〜、私も眠くなってきた。」

チラッと横を見ると、恋人は実に気持ちよさそうに眠っている。
キョーコはそっと髪に触れてみた。
起きる気配は全くなかった。
キョーコは眠るために蓮に寄りかかった。

「・・・・・・何か違う。」

いつもは肩やら腰やらにまわっている手がないため異様な寂しさを感じたキョーコは、思案の末、足に目をつけた。
試しにちょこんと頭を乗せてみる。

「・・・・・・いいかもv」

蓮を起こさないようにもぞもぞ動いて仰向けになり、その寝顔を眺めようとした。
すると、寝ていると思っている人物と目が合ってしまった。

「くす、・・・何してるの?」

蓮は実に面白そうにキョーコを見つめている。

「何だ、起きてたの?」
「今、起きたんだよ。それよりどうですか、お嬢さん?俺の膝枕は。」
「うん、なかなか気持ちいいv」
「そう、それはよかった。」

蓮はキョーコの頬に愛おしそうに触れた。
こういう時の蓮はキスがしたいという事を知っているキョーコだったが、自分たちの今の体勢を考えた。

・・・・どうやってするんだろう?

キョーコは蓮の膝の上に頭を乗せて仰向けになっているが、この状態ではキョーコから動かないとキスは出来そうにない。
空気を察したキョーコの頬はどんどん赤くなっていく。

「・・・・キスして?」
「わ、私からぁ?」
「そう。じゃないとできないから。おいで。」
「えぇ〜・・・恥ずかしい。」
「恥ずかしくないから。俺は今すぐキスしたい。」
「う〜〜〜〜〜・・・・じゃ、じゃあ、目瞑って!」
「オーケー。」

そう言うと蓮は素直に目を瞑った。
キョーコは体を起こすと、そのままゆっくり顔を近づけ唇を合わせた。
時間にすれば本当に一瞬の事で、キョーコは唇を離すとすぐに蓮の膝に頭を戻した。

「そんなに気に入ったのか?」
「この位置なら、いつでも蓮のこと見れるんだもの。」
「また君は・・・そんな可愛い事言って・・・。昼間から襲われたくないなら気をつけて、ね?」
「・・・・・蓮はもう少し忍耐をつけた方がいいと思うなぁ・・・ふぁ・・・」
「・・・眠たくなった?」
「・・・少し。」
「このまま少し寝たらいい。」

蓮はキョーコが安心するように、優しく微笑んでやった。
するとキョーコはあっという間に意識を手放し、深い眠りについた。

「本当に寝付きだけはいいんだから・・・。」

リビングには眠る彼女の息づかいが微かに感じられる。
蓮はこの穏やかな時間に幸せを感じながら、いつまでもキョーコの寝顔を眺めていた。





ナオ様から強奪してきました!!
ナオ様の10000HIT記念フリーSSです!!
膝枕・・・。
いいなぁ。涎もんですよね(表現汚い)
キョーコちゃんが敦賀さんに、ではなくて敦賀さんがキョーコちゃんにってところがさらにいいですよねっ。
キョーコちゃんはいっつもやらされてそうですもんねぇ。
あーこっちが眠たくなってきました・・・(お前はいつも眠たいだろ)